帯状疱疹後神経痛

帯状疱疹後神経痛の症状や治療について、わかりやすく解説しています。

帯状疱疹とは

子供の頃に水疱瘡にかかると、このウイルスが神経細胞自体に長年住み込んでいます。 大人になり、何かで体力が落ちたときにこのウイルスが再び活性化してしまうのですが、その時には住み込んでいる神経自体にそって広がります。

人の体の神経は、脳に繋がる脊髄から、背骨の隙間を通って皮膚に分布しています。 その分布は以下のようになっています

これらの神経はお互いに隣り合った枝同士の交通があるので、大体罹患した神経の上下も含めた帯状の領域に疱疹が出現します。 神経細胞は左右にそれぞれ別にあるので、通常は片側(右だけ、左だけ)に発症します。

神経細胞自体で増殖したウイルスが、神経線維を伝って皮膚までたどり着いて疱疹が出現した状態が帯状疱疹です。

症状・治療

痛みが出て数日してから疱疹が出現するのはこのためなので、帯状疱疹は皮膚の病気と言うよりも、神経自体の感染症なのです。

帯状疱疹は神経自体の感染症ですから、ウイルスの増殖によって神経組織自体が傷みます。

ちょっと怪我をして化膿しても、そのまま綺麗に治る人もいれば、ケロイド様になってしまう人もいるのと同じで、帯状疱疹で神経自体が傷んだとしても正常に治癒する場合もありますが、怪我の治りの悪い高齢の方などでは神経自体の修復が遅く、この様な場合に帯状疱疹後神経痛に移行しやすいと言われています。

帯状疱疹は神経自体の炎症なのでとても強い痛みが出ることが多く、痛みが強い状態だと自律神経が緊張して血流が悪化しやすくなりますからさらに治りが悪くなります。

この痛みを抑えたり、血流を改善するためには内服薬や神経ブロックが有効になります。

しかし、壊れた神経を修復する治療は再生医療以外はまだありませんから、痛みやしびれが100%治癒するわけではありません。あくまでも痛んだ神経の異常興奮を抑えたり、血流を改善することによって症状の改善を行う治療となります。

とは言っても人間の体は不思議なもので、何年来の帯状疱疹後神経痛の方でも症状の改善が得られた症例もありますから、諦めてしまわずに専門的な治療をしてみる価値はあると思います。

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