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神経ブロック治療 関連治療法について

当院では、さまざまな神経ブロック治療を行っております。
以下の各項目をクリックすると詳細をご覧いただけます。

神経ブロックとは(深部に行うものを中心に)

神経ブロック注射

神経ブロックは、局所麻酔薬を病変部位となっている神経やその周囲にピンポイントで使用することにより、強い痛みが引き起こす身体や心の過剰な緊張を一時的に緩和する治療法です。

神経ブロックによって、期待できる効果としては以下の3つになります。

  • 知覚神経ブロックによる除痛効果
  • 交感神経ブロックによる血行改善効果
  • これらの相乗作用によって、強い痛みにより血管が収縮し、血流が低下することでさらに痛みが増大するという「痛みの悪循環」を遮断する効果

つまり、神経ブロックは"痛みを和らげ、血流を改善することで、身体が本来もつ自然治癒力が発揮されやすい環境を整え、症状の改善につながる可能性を高める"と考えられます。

また、痛みを起こす疾患のみでなく、血流改善を目的とした交感神経ブロックとして、顔面神経麻痺や突発性難聴などの疾患において医師の判断のもと行われることがあります。

神経ブロックはピンポイントで治療を行うことにより、効果時間の短い局所麻酔薬でも、その薬理学的な効果時間をはるかに超えて、1?3日程度の改善が期待できる場合があります。他科の先生方でも「ただの麻酔するだけなのでは?」と勘違いされている場合も結構多いので、一般の方がご存じないのも無理はありません。

なお、現在臨床で用いられている局所麻酔薬で24時間以上効果が持続するものはありません。

神経ブロックによって一時的に痛みは改善しますが、多くの場合2日前後で痛みが戻ってきてしまいます。

しかし治療前よりも症状の強さや頻度、範囲が軽減されているという事も多くみられ、「眠られるようになった、痛みを忘れられる時間が増えてきた、日常生活や動作ができるようになった、趣味が再開できた、仕事ができるようになった」等の生活の質(QOL)の改善が得られる事も少なくありません。神経ブロックは、症状の経過を確認しながら繰り返し行う事で、徐々に痛みの改善を目指していきます。

神経ブロックは保険診療ですから、実施回数や治療間隔は、診療報酬の算定基準および患者さまの症状に応じて決定されます。それ以上の治療をご希望される場合にはご相談ください。

最近の研究では、過剰な痛みが長期間持続すると脳に影響を与え、痛み自体が記憶されたり、痛みに対する感受性が高くなる可能性も指摘されています。元の疾患が治っても、痛みだけが残ることもあるため、治療開始はなるべく早い方が望ましいと言われています。

神経ブロックにはさまざまな種類がありますが、すべて針を刺す注射での治療です。もちろん、「注射が非常に苦手」という方に行いません。患者さまご本人やご家族に十分な説明と同意の上で治療を行ってまいります。

なお、これらの神経ブロックは自律神経への効果も大切な目的の一つとなりますから、神経ブロック後30分?1時間程度安静にしていただいておりますので、お時間に余裕をもってお越しください。

神経根ブロック療法

ペインクリニックで行う、帯状疱疹後神経痛や、脊椎症・椎間板ヘルニア・脊柱管狭窄症などに伴う強い痛みに対しての治療法

神経根ブロック

神経根ブロックは、帯状疱疹後神経痛や、脊椎症・椎間板ヘルニア・脊柱管狭窄症などに伴う強い痛みに対して、ペインクリニック領域で行われる、保険適応のある注射による治療法です。

レントゲン透視や超音波エコーを用いて、かなり細い針で神経根やその周囲に直接局所麻酔薬と少量のステロイドを注射します。

患部では、腫れや脊柱管狭窄、椎間板ヘルニアなどによる圧迫の影響で組織の血流が低下し、内服や点滴の薬が十分に届きにくい状態になっていることがありますが、この治療法では薬剤を直接患部周囲に届けることが出来るため、内服や点滴などの全身投与に比べると、圧倒的に少ない量の薬剤で治療を行うことが可能になります。

局所麻酔薬により組織の過緊張をリセットし、消炎作用のあるステロイドで腫れの軽減を図ることで、神経根周囲に存在すると考えられている炎症反応を抑え、血流を改善する効果が期待されます。

昔のCMで「24時間戦えますか?」というのがありましたが、患部では身体はまさに24時間休みなく痛みに耐えて戦っているので、その緊張を一時的にでもリセットし、患部に「休息」を与えることを目的としたペインクリニック治療と捉えることもできます。

この治療を繰り返してもなかなか改善が得られず、ようやく手術を決心される患者様もいらっしゃいますし、また手術を勧められたものの、ペインクリニックでの神経根ブロック治療により症状が軽減し、結果的に手術を回避できたケースが見られることもあります。

「手術を勧められているけど、不安が強い」という患者様にとっては、手術を決断される前に検討される治療選択肢の一つとなる場合があります。

神経根ブロックは治療時に強い痛みを伴うことが多い治療法です。

ただし、激しい痛みのため夜間の睡眠が妨げられるなど、日常生活に著しい支障がある場合の苦痛に比べると、治療による痛みはおおむね1分程度、実際には数十秒程度であることがほとんどですから、もともと強い痛みを耐えている患者様にとっては辛抱できる範囲であることが多いです。

治療個所が1か所の場合、針を刺して、透視の場合には造影剤で確認を行い、薬液を注入して針を抜くまで、多くの症例で大体1分未満です。

多くの場合、初回の治療時が最も強い痛みを感じやすく、症状の改善に伴い治療の痛みも和らいでくる傾向にあります。

これは患部の腫れや炎症が強い時期ほど強い痛みを感じやすく、腫れの軽減とともに注射時の刺激も減ってくるためと考えられています。

神経根ブロック

当院の外科用X線TV装置

神経根パルス高周波ブロック(PRF)療法

各種ブロックによる改善がなかなか得られない時に

神経根ブロック治療や、後程説明する腹腔神経叢ブロック、腰部交感神経節ブロック等が、一時的には有効でも、症状の改善がなかなか得られない場合があります。そのような場合に、各神経ブロックの手技を応用して行う治療が、神経根パルス高周波ブロック(PRF)療法です。

基本的な手技はそれぞれの神経ブロックとほぼ同様ですが、穿刺する針が特殊なものとなり、その針の中に特殊な電極を挿入し、専用の機器と接続します。この針の先端にパルス状の高周波を印加し、42℃に保つ状態で6分間治療を行います。

PRF療法は、神経根や神経叢に生じた過敏性を軽減する効果があるとされており、長引く痛みの治療として有用と考えられている、保険適応のある治療法です。

神経根パルス高周波ブロック(PRF)

当院のパルス高周波治療器 ニューロサーモJK3

頸・胸・腰部硬膜外ブロック療法

脊椎疾患やこれに伴う神経根症、帯状疱疹後神経痛、脊椎術後疼痛その他各種疼痛の診断や治療に

頸・胸・腰部硬膜外ブロック

▲資料1

頸・胸・腰部硬膜外ブロック

▲資料2

資料1の写真は頸部のMRIですが、上部に写っている脳から脊髄へ境目無く繋がっているのが分かります。

資料1で、脊髄の周りにある白い部分は脳脊髄液で、これらは硬膜と言う固い膜につつまれています。

頭部を前後屈すると、脊髄も一緒に動きますので、脊髄を包む硬膜の周囲には、脊髄が自由に動けるための硬膜外腔と呼ばれる空間があります。脊柱管と書かれている矢印の両端にごく細い黒い部分が縦に走っていますが、この部分が硬膜外腔です。

資料2は腰椎レベルで、脊髄の周りにある白い部分が硬膜外腔です。

このわずかな空間に、脊髄(硬膜)を刺さないように針を寸止めして局所麻酔薬を注射します。

この手技は、たとえレントゲン透視で見ても硬膜は分かりませんから、すべて術者の繊細な指の感覚のみで行います。

無痛分娩では胸椎レベルでこの空間にカテーテルを挿入します。

万が一頸椎レベルや胸椎レベルで脊髄内に局所麻酔薬が入ってしまうと重大な合併症につながるため、当院では安全のため全例レントゲン透視で薬液の広がりを確認するため造影剤を少量使います。

痛みの治療でも入院施設がある場合は、このスペースにカテーテルを入れて、持続的に硬膜外ブロックを行うことで重症の帯状疱疹後神経痛・椎間板ヘルニアによる神経根症、CRPSなどの治療が行われる事があります。(僕も以前施行いただきました。)

また、外科的治療の項目に記載している、「硬膜外癒着剥離術」や「硬膜外脊髄刺激療法」もこの空間を用いて行う治療になります。

腰部交感神経節ブロック(・腹腔神経叢ブロック)療法

腰部交感神経節ブロック・(腹腔神経叢ブロック)A 腰部交感神経節ブロック・(腹腔神経叢ブロック)B

腰部交感神経節は、腰椎の前方の左右を縦に走行している自律神経のうちの交感神経が束になっている部分です。
ここをブロックすることで腰から下肢にかけての血流改善や痛みの緩和が期待できます。
適応疾患としては下肢閉塞性動脈硬化症、バージャー病、レイノー症状、脊柱管狭窄症による下肢の疼痛、帯状疱疹後神経痛、足底多汗症、CRPS、がん性疼痛等になります。

局所麻酔薬によるテストブロックを施行し、有効であれば以前は神経破壊薬を用いていましたが、最近では神経根パルス高周波ブロック(PRF)を施行されることが多くなりました。

これらのブロックは自律神経の交感神経ブロックを目的とし、患部の血流改善や自律神経調整、またがん性疼痛などの内蔵由来の痛みの軽減を目的として行われます。

当院の超音波診断装置

当院の超音波診断装置

星状神経節ブロック療法

帯状疱疹関連痛、三叉神経痛、頸椎症とその神経根症、頭痛、顔面痛、顔面神経麻痺、突発性難聴

喉仏の横のあたりに超音波エコーを当て、超音波ガイド下に頸長筋(または頭長筋)内に局所麻酔薬を注射し、頸胸部にある交感神経節(星状神経節)をブロックすることで血管の異常な収縮や拡張の調整を行う治療です。

この治療は適応が広く、帯状疱疹関連痛や三叉神経痛などの痛みに対する治療だけでなく、顔面神経麻痺や突発性難聴のような虚血性変化が疑われる疾患にも保険適応となっております。

治療後は30分程度の安静が必要ですので、トイレ等は施行前に済ませて下さい。また、治療後は飲み込みにくさが出現する場合や声がかれる場合もありますので1-2時間程度は飲食を控えて下さい。

三叉神経ブロック療法・末梢枝ブロック療法

三叉神経痛に対する治療法

眼窩上神経

▲眼窩上神経

眼窩下神経

▲眼窩下神経

おとがい神経

▲おとがい神経

三叉神経節(ガッセル神経節または半月神経節)は、頭蓋底という脳を支える骨性部分のすぐ上にあります。

通常はレントゲン透視下で行われる神経節ブロックですが、この部位は脳実質に非常に近く、重篤な合併症のリスクがあるため、当院では行っておりません。

三叉神経は3本の太い神経に分かれて深部を走行し末梢に分布します。このうち第?枝(眼神経)は眼窩の奥にありますからアプローチが困難ですが、第?枝の上顎神経と第?枝の下顎神経に対しては頬部の奥でブロック治療が可能です。

またそれぞれの末梢枝である、眼窩の奥を通って表面に出てくる上眼窩神経、頬の奥から副鼻腔を通って出てくる眼窩下神経、頬の奥を通って下顎枝から出てくるおとがい神経の3種類の神経に対しては末梢枝ブロックを行う事が可能です。

各種末梢神経ブロックについて

上記のような中枢に近い部位に行う神経ブロックは、自律神経への効果も目的の一つであることが多く、そのため神経ブロック施行後に30分?1時間弱程度の安静時間が必要ですが、末梢神経ブロックは自律神経への効果が比較的少ないため、神経ブロック施行後の安静時間も5分程度となります。

末梢神経ブロックとハイドロリリース

超音波エコー装置が普及するまでは、各種末梢神経ブロックは体の特徴的な部分をランドマークとして盲目的(ブラインド)に行なわれて来ました。しかし超音波ガイド下で施行されるようになって、患部の状態を直接観察できるようになり、自然と癒着している部位の(特に神経周囲の)剥離を行いながら末梢神経ブロックを行うようになりました。

もちろん神経ブロックの部位によっても変わりますが、ハイドロリリースという言葉が出てきたころには、多くのペインクリニシャンが同様に治療を行っていたのではないでしょうか。

ハイドロリリースは組織間の癒着を剥離する手段で、末梢神経ブロックにおいては、神経と周囲の組織の不必要な癒着や絞扼を解除するために非常に有効な手段となっています。

ハイドロリリースという手技は保険に収載されておりませんが、局所麻酔薬を用いて末梢神経ブロックを行う際に組織剥離も併せて行うことで、保険での治療が可能な場合があります。

トリガーポイント注射

明らかな原因がないにもかかわらず慢性的な痛みがある患者様で、多くの場合、押さえると特に痛みを誘発する場所があり、これがトリガーポイントと呼ばれています。触診上は筋肉繊維内に硬結を認めることが多く、ここに局所麻酔薬等を注射します。

当院ではトリガーポイント注射も超音波ガイド下に施行しておりますが、筋組織内の硬結部分は、超音波では周辺組織とは信号強度が異なっていることが多く、そこを重点的に治療します。この治療自体が、結果的にハイドロリリースになることがほとんどです。

治療自体はすぐに終わりますが、5分程度横になって休んでいただきます。
効果の程度や持続時間は個人差・疾患の違い等で異なります。

その他の神経ブロック

ボトックス注射は保険適応のある疾患に対してのみ行います。
なお、眼瞼けいれんは副作用としての美容的な側面が問題になりやすいため、当院では普段は行っておりません。

ハイドロリリースについて

私たちの体には約400種類の骨格筋があり、それぞれが筋膜という組織に覆われていて、この筋膜のおかげで隣り合う筋肉同士が自由に動けるようになっています。また、神経や血管はこの筋膜を通って筋肉に栄養と指令を与えます。

しかし、何らかの原因で筋肉が傷つくと、隣り合う筋肉同士が癒着してしまうことがあります。これにより、筋肉の動きが悪くなるだけでなく、血流低下や神経障害を伴い、強い痛みが生じることがあります。

ハイドロリリースは、この癒着した筋膜に液体(ハイドロ)を注入し、剥離(リリース)することで、筋肉の動きを改善し、痛みを和らげる治療法です。

当院でのハイドロリリースについて

通常は局所麻酔薬を使用し保険診療で行いますが、薬剤の使用量には限りがあるため、治療範囲も限られています。より広い範囲の治療をご希望の場合は、生理食塩水を使用したハイドロリリースも可能です(自費診療)。ご希望に応じて最適な方法を提案させていただきますので、遠慮なくご相談ください。

治療に伴う注意点

ハイドロリリースは注射による治療ですので、一般的な注射と同様に、注射部位の痛みや腫れ、出血が生じる可能性があります。また、ごく稀に感染を起こすこともあります。当院では安全面に十分配慮して治療を行っていますが、あらかじめご了承ください。

日本整形内科学研究会による定義

ハイドロリリース (Hydororelease,HR)は、「Hydro(液体)でRelease(剥離・緩める)する"注射手技"」と定義されています。

この言葉自体には注射の対象部位を示す意味は含まれていないため、対象部位を示す言葉と組み合わせて使用されます。

治療施行実績

神経ブロックの適応について

以下のような方には、神経ブロック療法は行わず、薬物療法や理学療法で治療を行っていきます。

  • 副腎皮質ステロイド薬や局所麻酔薬にアレルギーがある方
  • 免疫機能が低下して、細菌に感染しやすい方
  • 糖尿病でHbA1cが8以上の方
  • 注射でショック症状が起きた経験がある方 など

神経ブロックに注意が必要な方

以下のような方の場合、ブロックの種類によっては問題なく施行可能な場合もありますが、施行できないブロックや場合もありますので、必ず事前にご相談ください。

  • 抗血液凝固薬(ワーファリン・バイアスピリン・リクシアナなど)を服用している方や血液が凝固しにくいと診断された方
  • 閉塞隅角緑内障の方は眼科の主治医と相談してください。
  • 糖尿病でHbA1cが7以上8未満の方 など
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